大学での日本語ディベートの普及について


 大学における日本語ディベートは残念ながらまだまだ発展途上で、(創世記のメンバーは強かったものの)ここ数年のJDA大会や「全日本」選手権では、一般人の参加も認められているために、Academic Debateの大御所OB(*)や、暇を持て余した現役英語ディベーターがたまに出てくると、そのまま優勝を持っていかれてしまう、という状況がしばしば起こっています。

 ただ、大学のAcademic Debateでは、年末に行われる「NAFAT-Extra」というお祭り的な大会以外、院生や社会人の参加を禁止してることを考えると、こうした日本最強の大御所たちと直接試合できる機会がある、というのは、ある意味で極めて「うらやましい」環境だといえます。実力に差があり過ぎて周りがついていけてないのが現状ですが、こうした利点を売り込みながら、NAFAと日程調整したり、ようやく関西に生まれつつある日本語コミュニティと連携を深めるなどして、もっと積極的に優秀なディベーターたちを日本語大会に参加させ、彼等と直接試合をする機会を増やしてノウハウを吸収していけば、おそらく10年、20年後には、胸を張って「大学の主流は日本語ディベート」と言える日も来るはずです。JCDF時代やCoDA設立当初には、積極的にNAFAや他団体と連携しようとしていただけに、こうした流れを止めてしまわず、さらに押し進めていってくれれば、と期待しています(一方で、最近やや縮小傾向にあると言われるAcademic Debateも、こうした方向を模索すべきでしょう)。

 個人的な考えですが、やはり日本人である以上、日本語によるディベートが主流になってしかるべきです。国内で英語ディベートが盛り上がるなら、それはもちろん素晴らしいことです。しかし、仮に英語という壁を一度乗り越えなければ、ディベートの神髄には触れることはできない、という状況が存在するならば、本当に「日本にディベートが根付いた」と言うことはできないでしょう。


(*)彼等が全世代を通じて経験・実力とも圧倒的に日本最強であることは疑うべくもないので、 簡単に「打ち負かせ」という方が酷かもしれませんが。

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