上の「Debate」の章で紹介したように、国内には様々なスタイルのディベート・コミュニティが存在しています。その中でも、もっとも外部の人間から「どういう活動をしているのかよくわからない」と言われがちなのが、大学で行われている英語のAcademic Debateです。実際には、このコミュニティも積極的に情報発信しているはずなのですが、様々な英単語や用語を交えて解説される場合が多いため(わかってしまえばなんてことはないのですが)、最初はとっつきにくい、という面もあるようです。以下の章では、Academic Debateのサークルが実際にどういう活動をしているのかを知ってもらうため、一例として、東京大学の中にあるUTYO Falconsというサークルの活動を紹介していくことにします。

※なお、私自身がFalconsのOBなので、ちょっと宣伝の意味合いも入っていますが、大目に見てあげてください(^^;


UTYO Falconsって何なの?


 UTYO Falcons というのは、東京大学E.S.S.ディベートセクションの愛称です。

 UTYO は 「University of Tokyo」の略称です。Tokyoを「TYO」と略すのはちょっと見なれない感じがしますが、空港などではNewYorkを「NYK」としたり、地名を3文字に略して表示しているのを頻繁に目にすることができます。falconは野鳥の「ハヤブサ」を意味し、阪神「タイガーズ」と同じ感覚の、単なる愛称です。誰が言いはじめたのかはよくわかりませんが、この呼び方が伝統になっています。

 ただ、この名前は長ったらしい(うえにちょっと恥ずかしい)ので、通常は略して単に「UT」(ゆーてぃー)と呼びます。以下の文章では、UTで統一して書いていくことにします。


主な活動は?


 基本的に、英語のAcademic Debate(別名NDTスタイル)と呼ばれるタイプのディベートを活動の中心としています(Academic Debateの詳細は上の「Debate」の項目を参照して下さい)。年間を通じて週末に大会がたくさんあるので、各々が出たい大会を選んで参加します。平日は資料を探したり、原稿を作ったり、練習試合をしたり、各自練習です。

 自分が所属していた団体のことを言うのもなんですが、Academic Debateをやっている大学の中では、UTはかなり「強い」部類に入ります。毎年、どこかの大会では必ず優勝していますし、NAFAという団体が毎年発表する大学の年間ランキングでも、(自分がチーフだった時は逃したものの)1位の常連となっています。優勝する大会によっては、賞品で海外の研修旅行に行けたりします。

 これ以外に、2003年度にはICU(国際基督教大)の御好意でParliamentary Debateの練習会・大会にもいくつか参加しています。もともとAcademic Debate中心のサークルですし、あまり本格的に取り組んだといえるレベルではありませんが、今後の後輩の方針によっては、こうした活動も拡大していくかもしれません。

 日本語ディベートは、特に正式な活動として取り入れているわけではありませんが、英語から日本語に移る際に壁があるわけでもないので、好きな人間は、一般人向けの日本語大会であるJDA大会あたりに個人的に参加したり、議論のネタを仕入れに見学に行ったりしています。

 東京大学で他にディベートをやっているサークルとしては、弁論部があります。こちらは日本語ディベート専門ですが、弁論との二本立てなので、それほど広範に大会に出ているわけではないようです。

 ※Falconsの各年の大会結果は、左の「Falconsの最新情報」を参照して下さい。



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